十分と充分の違い

十分と充分、どちらも「じゅうぶん」と読みますが何が違うのでしょうか?

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本来は別の発音

「充分」と「十分」は、本来別の言葉でした。日本の字音仮名遣い(漢字音を仮名によって表記するときの仮名遣い)でも、

「充分」=『じゆうぶん』、「十分」=『じふぶん』

と違っていましたが、現代では発音が同じ(じゅうぶん)になり、区別が付きにくくなったものです。

中国語では、

「充分」=『chōngfèn』(チョンフェン)、「十分」=『shífēn』(シーフェン)

と、全く違う発音です。

「分」の意味

「分」は同じ漢字を使っていますが、実はそれぞれ違う意味があります。

「充分」の「分」は『分をわきまえる、職分』などの「分」、「十分」の「分」は『分割、部分』などの「分」です。

したがって、「十分」は、単純に割合を示し「100%」の意味になりますが、「充分」は、部長なら部長、課長なら課長として、これだけの職責を果たすべきであるとされるもの「分」を「充足」しているといった意味合いがあります。

上記の意味をふまえて「100%以上」という意味で「十二分に」という言葉がありますが、この場合には「充」の字は使わないですね。

充分は精神的に満足している時にも使用されます。

ただ、現代日本では一般に区別せずに使われていますので、そこまで厳密に間違いを指摘されることは無いと思われます。

文章の内容によっては「十分」が「10分」に間違われてしまうこともあるので、その際は「充分」を使うとわかりやすいですね。

違いポイントまとめ

  • 「十分」は割合や数量を満たしている、要素が足りている、100%という意味。「数が十分足りている」など。
  • 「充分」は職務や分を満たしている、精神的に充足しているという意味。「充分に美味しいものを堪能した」など。
  • しかし現代では区別無く使用されているので、どちらを使っても間違いでは無い。

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