「大葉と青じそって、どういう違いがあるの?それとも同じなの?」
という疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
種類による違い
まず私たちが「青じそ」と呼んでいる植物の正式名称はシソ科シソ属の「紫蘇(しそ)」です。
食用とされる紫蘇には2種類があり、葉も茎も全体が赤紫色をしていて、梅干しや、しば漬け、紅しょうがやミョウガの色付けとして使用されているのが「赤じそ」。
一方、葉も茎も全体が緑色をしており、香りも良いため薬味などの食用として使われているのが「青じそ」です。
私たちが普段目にしている「大葉」とは、この「青じそ」のことなのです。ではなぜ、同じものなのに呼び方に違いがあるのでしょうか?
実は商品名だった
紫蘇は、縄文時代の遺跡からその種が見つかっているほど、古くからある植物です。
昭和36年頃、その紫蘇を商品として出荷するにあたり、紫蘇の「花穂」と「葉」の区別が必要となり、「葉」に「大人になった大きな葉っぱ」という意味で「大葉」という商品名がつけられたのです。
つまり私たちが「大葉」と呼んでいるものは「青じそ」のことであり、その商品名だったというわけです。
しかし商品名だったものが、現在ではあたかも植物名のように使われているという、とても珍しいケースなのです。呼び方の違いは地域によって異なっているとも言われており、「シソ」と呼ぶのは混在地も含めて29都道府県。「オオバ」は22府県という調査結果も出ています。
使い方による違い
では、日常生活の中では、一体どのように区別されているのでしょうか。
まずお刺身などに添えてある薬味や、料理の中で巻いたり挟んだりして使用するなど、「葉」としての色や歯ごたえなどの素材感を生かして使われている方が「大葉」と呼ばれていることが多くあります。
一方、ドレッシングやソース、ジュースなど「葉」としての素材感よりも、調味料としての役割を持ち、その香りを生かして使われている方が「青じそ」と呼ばれていることが多いのです。
どちらを使ってももちろん間違いではありませんが、耳にした時に思い浮かぶニュアンスには、やや違いがあります。
そんな紫蘇は、脇役としての働きが多いイメージがありますが、実はとても栄養が豊富な植物でもあります。カロテン、ビタミンB2、カルシウムの量は野菜の中でもトップクラスを誇っており、他にもカリウムや鉄分も豊富です。
また特徴的なあの爽やかな香りには、高い抗酸化作用と強い防腐作用があるため、食中毒を予防する働きも持っているのです。価格も求めやすく、一年中スーパーで見ることができる食品なので、積極的に食卓へ取り入れていけると良いですね。
違いポイントまとめ
「大葉」と「青じそ」は同じものであり、薬味や料理で葉のまま用いる時は「大葉」、ドレッシングやソース、ジュースにした時には「青じそ」と呼ばれることが多い。