
しらたきと糸こんにゃくは基本的に同じです。同じ製法や材料も同じで呼び方に違いがあると言っていいでしょう。
しかし、一番の違いは関西で発生したのか? 関東で発生したのか?
それがしらたきと糸こんにゃくを分ける大きな要素になってきます。
地域による違い
江戸時代にこんにゃく粉を水で溶いて、糊状になったこんにゃくを細い穴に通して作られたのがしらたきです。作り方はところてんを出す様子をイメージしてもらえればいいと思います。
同じ江戸時代に関西で発生したのが糸こんにゃくです。普通のこんにゃくを細く切って、糸状にしてそのまま出していたといわれています。
現在では製法や材料に違いが見られないしらたきと糸こんにゃくですが、生まれた当初の江戸時代では関東と関西で大きな違いがあったようです。
現在のしらたきや糸こんにゃくは基本的にこんにゃく粉を使って、それぞれ商品が作られています。
江戸時代の昔の製法を守っているしらたきや糸こんにゃくのお店もありますが、スーパーで売られているようなしらたきや糸こんにゃくには違いはほとんどありません。
それでも呼び方の定着率は関東と関西で違いが見られます。しらたきという呼び方が一般的な関東ではしらたきが多く販売され、糸こんにゃくが生まれた関西では糸こんにゃくが多く見かけるようになっています。
微妙な見た目の違い
また、作り方は基本的に同じですが、使われている材料にちょっとした違いがあり、見た目に違いを見つけることができます。
しらたきも糸こんにゃくも同じこんにゃく粉を使っていますが、しらたきは細く、透明な白色をしているのに対し、糸こんにゃくは少し太めで斑模様を感じさせます。
それは糸こんにゃくにはヒジキなどの海草成分が含まれ、若干黒い感じが見えるからです。プロの料理人はこうした色などの違いでしらたきや糸こんにゃくの使用を分ける人もいますが、一般家庭ではそれほど拘ることもないでしょう。
したらきも糸こんにゃくも下処理の方法は同じなので、煮物などに美味しく活用できます。
昔と違って、作り方や材料に大きな違いがなくなっている現代では関東か関西の呼び方が違いとして残っているだけです。料理の方法として差を感じることはあまりないでしょう。
もし、関東から関西に引越しすると、しらたきが見つからず、糸こんにゃくばかりでカルチャーショックを感じるかもしれません。関東と関西の生活環境が異なることで、しらたきと糸こんにゃくの違いを実感できるのです。
違いポイントまとめ
- 「しらたき」は江戸時代に関東でこんにゃく粉を水で溶いて、糊状になったこんにゃくを細い穴に通して作られたもの。
- 「糸こんにゃく」は江戸時代に関西で普通のこんにゃくを細く切って、糸状にしてそのまま出していたもの。
- 現代ではしらたきも糸こんにゃくも同じこんにゃく粉を使っており、ほぼ同じものの呼び名が違うだけになっている。しらたきは細く、透明な白色をしているのに対し、糸こんにゃくは少し太めで斑模様がある場合がある。